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時間外労働が月60時間を超える場合
◆割増賃金率の引上げ
1か月60時間を超える時間外労働をさせた場合には、使用者は、その超えた時間について5割以
上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
ただし、中小事業主については、当分の間適用が猶予されます。
【深夜(22:00〜5:00)の時間帯に1か月60時間を超える時間外労働をさせた場合】
月60時間を超えた時間について

【法定休日労働との関係】
1か月60時間の時間外労働の算定には、法定休日労働は含まれませんが、法定休日以外の休日
(所定休日)の労働が時間外労働となる場合には、この時間外労働時間数もカウントします。法定
休日とそれ以外の休日はあらかじめ明確に分けておくことが望まれます。
◆代替休暇
事業場で労使協定を締結すれば、時間外労働が月60時間を超えた場合に、割増賃金率が25%以上
から50%以上に引上げられた部分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与することができます(代
替休暇)。
労使協定で定める事項
@代替休暇の時間数の具体的な算定方法

A代替休暇の単位
1日または半日単位で与える(半日は厳密に1日の所定労働時間の2分の1でなくてもよいが、労
使協定で半日の定義を決めておく)。
代替休暇の時間数に半日または1日に満たない端数がある場合には、他の有給休暇(事業場で任意
に創設する有給休暇、既存の休暇制度、時間単位年休(労働者からの請求が前提))と組み合わせて
半日または1日単位として与えることができる。
B代替休暇を与えることができる期間
時間外労働が1か月60時間を超えた当該1カ月の末日の翌日から2か月以内の期間に与えること
を定める。
C代替休暇の取得日の決定方法、割増賃金の支払日
代替休暇を取得するか否かは労働者の意向を踏まえることが前提。意向確認の手続、取得日の決定
方法を定める。
労働者に代替休暇取得の意向があるかどうかによって割増賃金の支払いが異なるので、割増賃金の
支払日等を協定で決めておく。
月80時間の時間外労働をさせた場合

◆中小事業主に対する猶予措置
月60時間を超える時間外労働の法定割増賃金率の引き上げ及び代替休暇は、中小事業主については
当分の間適用が猶予されます。猶予の対象となるのは、右の@またはAに該当する事業主です。

対象となる中小事業主
@資本金の額または出資の総額
小売業 |
5,0000万円以下 |
サービス業 |
卸売業 |
1億円以下 |
それ以外 |
3億円以下 |
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または |
A常時使用する労働者数
小売業 |
50人以下 |
サービス業 |
100人以下 |
卸売業 |
それ以外 |
300人以下 |
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